うつ病でも障害年金がもらえるって本当?

はじめに

うつ病になり、働くことがつらくなったり、日常生活にも支障が出てきたり……そんなとき、「障害年金」という制度があることをご存じですか?

「うつ病でも年金がもらえるの?」「手続きが難しそう……」「自分は対象になるの?」

そんな疑問を持つ方に向けて、障害年金に詳しい社会保険労務士が、できるだけわかりやすく説明します。

障害年金とは?

障害年金は、病気やケガで働けなくなったり、日常生活に支障が生じたときに、国から支給される公的年金です。
「年金=高齢者のもの」と思われがちですが、実は若い方でも条件を満たせば受け取ることができます。

障害年金には次の2つの種類があります:
・障害基礎年金:国民年金に加入している人が対象
・障害厚生年金:厚生年金(会社員・公務員など)に加入している人が対象

会社員など厚生年金に加入していた方は、基礎年金と厚生年金の両方が支給されるため、金額が多くなる傾向にあります。

うつ病でも障害年金はもらえるの?

はい、うつ病も障害年金の対象となる可能性があります。

「精神疾患だから難しいのでは?」と不安に思う方もいらっしゃいますが、うつ病や双極性障害なども受給対象となり得ます。

ポイントは、うつ病の症状により、どれほど生活や就労に支障が出ているかです。
例えば、こんな状態は要注意です:
・家事がまったくできない
・出勤できない、欠勤が多い
・人と会うのが苦痛
・一人での外出が困難

これらが継続している場合、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金を受け取るための3つの条件

障害年金を受け取るためには、次の3つの条件すべてを満たす必要があります。

 

1. 初診日の要件

うつ病の症状で初めて病院を受診した日を「初診日」と呼びます。
この日にどの年金制度に加入していたかで、受給できる年金の種類が決まります。

2. 保険料納付の要件

年金保険料を一定期間、きちんと納めていることが必要です。
主に以下のいずれかを満たす必要があります:
・初診日の時点で、それまでの加入期間のうち2/3以上保険料を納付している
・または、初診日の前1年間に未納がない
不明な場合は、年金事務所で確認できます。

3. 障害の程度(等級)

生活や仕事にどれほど支障があるかが基準になります。
・1級:他人の介助がなければ日常生活がほとんど送れない
・2級:日常生活に著しい支障があり、就労は困難
・3級:労働に著しい制限がある(※厚生年金のみ)

うつ病に特有の注意点

調子の波があることを伝える
うつ病には「良い日」と「悪い日」の波があります。
申請書類では、「一番調子が悪いときの状態」をしっかり伝えることが大切です。

働いていても申請できる場合がある
「働いていると障害年金はもらえない」と思われがちですが、以下のようなケースでは受給が認められることもあります:
・障害者雇用で働いている
・短時間勤務・軽作業に従事している
・職場で特別な配慮を受けている

申請における医師との連携が重要

障害年金の申請には、医師の診断書が不可欠です。
診察時に普段の困っていることを、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。

障害年金申請の流れ(概要)

  1. 年金事務所に相談
    初診日や保険料納付状況などを確認できます

  2. 必要書類の準備
    ・診断書(医師に依頼)
    ・病歴・就労状況等申立書(自分で作成)
    ・その他書類(年金手帳・通院記録など)

  3. 書類提出
    年金事務所に提出

  4. 審査(通常3〜6ヶ月)

  5. 結果通知(郵送で届きます)

専門家に依頼するメリット

障害年金の申請は、自分でも可能ですが、内容が複雑で精神的にも負担が大きい場合があります。

専門家(社会保険労務士)に依頼することで:
・煩雑な手続きを代行
・適切な書類作成で受給率アップ
・精神的な負担が軽減

うつ病の方にとって、申請準備そのものが症状悪化のきっかけになることもあります。迷ったら、専門家への相談がおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q:働いていても障害年金はもらえますか?

A:はい。働き方や勤務条件によっては受給可能です。

Q:申請から結果が出るまでどれくらい?

A:通常36ヶ月ほどかかります。

Q:自分で申請できますか?

A:可能ですが、制度が複雑なため、不安な場合は専門家の支援を受けるのが安心です。

Q:不支給になったらどうすれば?

A:「審査請求」などの不服申立てが可能です。期限があるため、早めの対応が重要です。

最後に

うつ病で苦しんでいる方、どうか一人で抱え込まないでください。
障害年金は、そうした方々の生活と治療を支える大切な制度です。

経済的な不安が軽減されれば、治療にも前向きに取り組めるかもしれません。
「自分は対象になるのかな?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

黒田隆治
黒田隆治社会保険労務士
はじめまして。社労士事務所フィル・エンドランの黒田隆治と申します。
私は障害年金のサポートを通して、生まれ育った地元・船橋、習志野の地域で暮らす皆さまの力になりたいと考えています。
障害年金の申請は一人で抱え込むと不安が大きく、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。
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