双極性障害と障害年金:気分の波を正しく伝え、安心を手にするために
双極性障害は、「躁状態」と「うつ状態」という気分の波を繰り返す精神疾患で、生活や仕事に大きな影響を及ぼします。こうした症状が日常生活や就労に支障を与える場合、公的な経済的支援として「障害年金」を受けられる可能性があります。
しかし、双極性障害の障害年金申請は、症状の波の特徴を的確に伝えることが非常に重要です。ここでは、申請のポイントや流れ、よくある質問をわかりやすく解説します。
双極性障害の障害年金申請における重要なポイント
1. 気分の波(躁状態・うつ状態)を具体的に伝える
- 躁状態は単に元気に見えるだけではない
元気そうに見えても、浪費やトラブル、仕事での無責任な行動など、社会生活に支障をきたす行動が伴い、本人が苦しんでいることを具体例を交えて説明しましょう。 - うつ状態の深刻さも詳細に
無気力や引きこもり、希死念慮(死にたい気持ち)などの状態を正直に伝えます。 - 寛解期(症状が軽い時期)もあるが不安定であることを示す
良い時期があっても長続きせず、再び症状が悪化することを日常生活や就労状況と関連付けて説明することが大切です。 
2. 日常生活能力・社会生活能力・就労能力への影響を具体化
- 計画的な行動ができない、集中力や判断力の低下、対人関係のトラブル、安定した就労が難しいなどのエピソードを盛り込みます。
 - 躁状態での衝動的行動(多額の借金、無謀な事業計画、頻繁な転職など)がその後の生活にどんな悪影響を与えたかも伝えましょう。
 
3. 治療歴と服薬状況の記録を整理する
- 通院歴、入院歴、試した薬の種類・効果・副作用を時系列でまとめ、治療しても症状が安定しないことを示します。
 
4. 診断書の内容は医師と連携して充実させる
- 医師には気分の波の周期や重症度、症状が生活や仕事に与える影響を詳しく伝えて診断書に反映してもらいます。
 - 診断名が途中で変わった場合は、その経緯も診断書に記載してもらうことがスムーズな審査につながります。
 
5. 病歴・就労状況等申立書の丁寧な作成
- 発症から現在までの気分の波の具体的エピソードや生活・仕事の困難さ、治療経過を時系列で詳細に記述します。
 - 家族や周囲から見た状況の補足も有効です。
 - 日本年金機構の「気分(感情)障害の認定に関するガイドライン」を意識して症状の持続性や頻度、生活への影響を盛り込みましょう。
 
障害年金申請の流れ(双極性障害の場合)
- 年金事務所・市区町村役場へ相談
制度や必要書類を確認。 - 初診日の確認と証明書類の準備
初めて受診した医療機関から「受診状況等証明書」を取得。 - 医師に診断書の作成依頼
症状の良い時期・悪い時期の全体像を伝える。 - 病歴・就労状況等申立書の作成
気分の波と生活変化を具体的に記載。 - 年金請求書など必要書類を提出。
 - 審査・結果通知(3ヶ月~半年程度)。
 
社会保険労務士に申請を依頼するメリット
- 双極性障害特有の症状の波を的確に伝える書類作成をサポート。
 - 初診日の特定や診断名変更に関するアドバイス。
 - デリケートな躁状態の問題行動も配慮して整理。
 - 認定基準に沿った申請書類作成。
 - 煩雑な手続きを代行し精神的・時間的負担を軽減。
 - 最適な申請戦略の提案で受給可能性を高める。
 
よくある質問
Q1. 躁状態で元気に見えるけど障害年金はもらえますか?
 A1. はい、躁状態でも社会生活に支障があれば対象となることがあります。気分全体の波と困難さが評価されます。
Q2. うつ病から後に双極性障害と診断名が変わった場合、初診日は?
 A2. 初めて医療機関を受診した日が初診日として扱われることが多いです。
Q3. 気分の波が激しく仕事が続かない場合は?
 A3. 安定就労の困難さは重要な評価ポイントです。
Q4. 症状が良い時もあるが申請できる?
 A4. はい、症状の波全体を通じて評価されます。
Q5. 躁状態の浪費やトラブルも伝えたほうがいい?
 A5. はい、重要な情報です。ただ伝え方は専門家に相談を。
まとめ
双極性障害の激しい気分の波は本人にとって大きな負担ですが、障害年金を活用することで経済的な不安を減らし、治療や生活の安定に役立てることができます。
自分の症状や生活状況をうまく説明できるか不安な方も、専門知識を持つ社会保険労務士に相談し、一人で悩まずに一歩を踏み出してください。
この記事を書いた人

- 社会保険労務士
 - 
はじめまして。社労士事務所フィル・エンドランの黒田隆治と申します。
この度は数あるホームページの中から当サイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。
障害年金は、身体障害をはじめ、知的障害、うつ病・統合失調症などの精神疾患、がん・脳血管疾患・心疾患・糖尿病など、けがや病気によって生活や仕事に支障のある方を支える重要な制度です。
特に私は生まれ育った地元・船橋、習志野の地域で暮らす皆さまの力になりたいと考えています。
障害年金の申請は一人で抱え込むと不安が大きく、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。
一緒に障害年金の受給へ向けて考え、進めてまいりましょう。
皆様の人生がより豊かなものとなるよう、全力でサポートすることをお約束いたします。 
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